2026年度 理事長所信
一般社団法人佐賀青年会議所 第71代理事長 古賀久達

基本理念

スローガン

佐賀が育んできた文化・人・挑戦の精神を、世界へ示そう。
いまこそ、地方から新しい価値を生み出す時代へ。
「Saga Pride」が、未来を動かす原動力となる。
基本方針
- 地域と未来をつなぐ起点としての70周年
- 幸せな佐賀のために活躍する人財の発掘・育成・拡大
- 新時代を切り開くグローバルな人財の育成
- 誇りを受け継ぎ、未来を創り出す「行動する組織」
【はじめに】
私たちは本当に、30年後の佐賀の輝く未来を信じているでしょうか。「誰かがやってくれる」「自分ひとりでは無理だ」と立ち止まれば、未来は失われます。必要なのは、私たちが今、その未来に責任を持ち、備え、動き出すことです。
佐賀青年会議所は今年、創立70周年という大きな節目を迎えます。70年前、志ある若者たちは佐賀の未来を信じ、自らの手で地域の基盤を築きました。私たちはその歴史に支えられ、いまこの場所に立っています。受け継いだのは、組織そのものだけではありません。まちを良くしようと願い、行動し続けた先人たちの誇りと覚悟です。
だからこそ、70周年は「過去を振り返る年」ではなく、次の時代へ踏み出すための起点となるべき一年です。積み重ねられた70年の力を未来へつなぐのは、私たちの役割です。
日本には、世界が憧れる文化や丁寧な暮らし、美しい風景、そしてAIでは代替できない「人間力」があります。特に佐賀は、人と人の距離が近く、文化と暮らしが自然に溶け合う地域です。この特性こそ、未来に向けた最大の強みです。
人口減少や産業構造の変化、資源流出、環境や医療の不安、そしてAIなどの加速によって、社会は大きく変わろうとしています。だからこそ青年会議所が地域の先頭に立ち、誇りと可能性を胸に行動するときが来ています。
まちの未来をつくることは、自分の役割を知り、人生の豊かさを育むことでもあります。地域の未来と私たち一人ひとりの幸せは切り離せません。70周年の節目に立つ今年、私たちは先人の志を胸に、次の時代の佐賀をつくる一年として歩み始めます。
【1. 地域と未来をつなぐ起点としての70周年】
2025年、私たちは大きな挑戦に向き合いました。公益社団法人日本青年会議所第74回全国大会佐賀大会を主管し、地域を代表する責任と誇りを胸に、やり切った一年でした。そして来る2026年、佐賀青年会議所は創立70周年という節目を迎えます。
この特別な一年にあたり、歴史を築いてこられた先人の志と行動に、まず深い敬意と感謝を捧げます。日々の運動を支えてくださる市民の皆さま、LOM・NOMの同志、行政・企業の皆さまにも、改めて御礼申し上げます。
70年前、志ある若者たちは日本と佐賀の未来を信じ、青年会議所という場に集い、地域課題に立ち向かいました。彼らの挑戦と行動の積み重ねが、まちの発展と平和な暮らしの礎を築き、私たちが今「当たり前」と思える日常を支えています。
私たちが担うべき役割は、その歴史をただ受け継ぐことではありません。積み上げられた力を未来の行動へと変え、次の時代の佐賀を創り出すことです。70周年を単なる節目ではなく、未来への変革に踏み出す「起点」として位置づけ、地域の未来に責任を持ち、行動し続ける覚悟を共有していきます。
一人ひとりが「佐賀の未来を創る当事者である」という自覚を胸に、力強く前へ進みましょう。
【2. 幸せな佐賀のために活躍する人財の発掘・育成・拡大】
地域の未来は、誰が頂点に立つかではなく、どれだけ多くの人が「自分のまちを良くする当事者」として動くかで決まります。私たち佐賀青年会議所は、まちの未来を他人任せにせず、自らの生き方と地域を重ねて行動する仲間を、佐賀のあらゆる場で増やしていきます。目指すのは、行動がつながり、「誇り」と「幸せ」を実感できる佐賀です。
対象は、すでに第一線で活躍している人財だけではありません。挑戦を始める人、可能性を内に秘めた若者や子育て世代、地域に根を張る事業者まで、あらゆる人に広がります。誰もが「自分の持ち場から佐賀の未来に関わっている」と実感できるよう、学びの場を整え、挑戦を支え、そばで伴走しながら、関わる喜びと幸せを育む行動の連鎖を広げていきます。
中心に据えるのは「個人の資質開発」です。コミュニケーション、スピーチ、プレゼンテーション、ファシリテーション、マネジメントなどの実践力を磨き、地域や社会課題へ向き合う知識と対応力を育てます。人と人の関係の質が高まる学びは、まちの「幸せ」の土台となります。JCIプログラムを基盤とし、学びを現場の小さな実装につなげ、実践し、振り返り、成果を言葉にして共有する。この循環を習慣として根づかせ、当事者が次の当事者を生み出す連鎖をつくり、幸せの実感を地域に広げていきます。
同時に、まだ光が当たっていない希望も見逃しません。派手な肩書きがなくても、表に出ていなくても、地域のために一歩を重ねる人財は確かに存在します。若者を称えるTOYPの精神を地域に根づかせ、佐賀に眠る傑出した人財を見つけ、称え、社会へとつなげます。誰かが照らさなければ埋もれてしまう力に光を当て、その歩みが周囲に幸せを広げていくよう伴走していきます。
私たちが目指すのは、一部の「特別なリーダー」だけが担う地域ではありません。商店街にも、学校にも、企業にも、町内会にも、「地域を良くしようと動く人」が当たり前にいる状態です。その実現に向けて、人と人、挑戦と挑戦をていねいに結び直し、芽を見つけて水を注ぎ、根を広げ、花を咲かせていきます。安心と誇り、そして幸せを生む土壌を、地域の日常に育てていきます。
この取り組みは、私たち自身への問いかけでもあります。自分は誰かの希望になれているか。まちの未来を背負う覚悟があるか。問い続けながら成長と変化を重ね、30年後の佐賀が希望と幸せに満ちたまちになるよう、この地に眠る原石に光を当て、つなぎ、磨き、未来を照らす「人財の連鎖」を今から始めます。
【3. 新時代を切り開くグローバルな人財の育成】
次の時代を生きる子どもたちに必要なのは、世界を見渡す広い視野と、佐賀に根を張る確かな軸です。その二つを同時に育てる最短の道が「民間外交」です。民間外交とは、政府間の公式外交ではなく、市民や団体同士が往来し、協働し、信頼と理解を積み重ねていく営みを指します。世界110を超える国と地域に広がるJCIネットワークは、その民間外交を現実の学びと挑戦へと変える強力な土台です。
このグローバルなつながりを活かし、私たちは地域の子どもたちや青年会議所メンバーが、海外の同世代の若者と出会い、学び合う機会を創出します。異なる文化や価値観に触れる実体験こそが、「世界を見る目」や「他者を受け入れる力」を育てていきます。
さらに、国境を越えた交流を通じて、世界的な視座を持つ人財の育成に挑戦します。国際会議や多国間連携の機会を積極的に創出し、日本と佐賀の魅力をグローバルに発信することで、地域のブランド価値を高めていきます。その先にあるのは、未来の子どもたちが世界へ挑戦できる環境を、地域から整えることです。
また、私たち青年会議所メンバー自身も、単に子どもたちへ機会を与える存在であってはなりません。まず自らが世界に触れ、外の価値観と交わり、内なる日本人としての強さと向き合う必要があります。変化に向き合い、変化を起こす大人がいる地域こそ、次世代が夢を描ける地域になります。そう信じて、私たち大人もまた、学び続け、行動し続けていきます。
そして何より、こうした交流と共育の先に見据えるのは、世界中の人々が違いを尊重し、共に手を取り合える「グローバルピース(世界平和)」の実現です。青年会議所の理念の根底には、国や文化の違いを越えて「明るい豊かな社会」を築くという普遍的な志があります。
その志を未来へ引き継ぎ、私たちのまち、そして日本から世界へ、平和を育む人財を育てていくことこそが、今の私たちにできる最も意義深い貢献であると信じています。
【4. 誇りを受け継ぎ、未来を創り出す行動する組織】
私たちは、環境負荷の低減も青年会議所の運動の一部と捉えます。会議のペーパレス化、オンラインと対面の最適化、移動の見直しなど、日常の運営からカーボンニュートラルへ踏み出します。取り組みを数値で可視化し、学びを共有し、企業・学校・市民と連携して広げていくことで、組織が率先して変わる姿を地域に示していきます。
青年会議所の運動は、長い年月の中で磨かれてきた文化やルール、そして組織の信頼と品格を支えてきた様式の上に成り立っています。その一つひとつには、まちの未来を本気で想い、行動し続けた先人たちの歴史が刻まれており、私たちが受け継ぐべき誇りです。
しかし今、社会の構造も価値観もスピードも大きく変わっています。新しい時代において私たちは、「守るべきもの」と「変えるべきもの」を見極め、しなやかに進化できる組織でなければなりません。形式や前例にとらわれず、自ら考え、動き、仕組みを見直す勇気と柔軟さが求められています。必要であれば、ルールそのものも見直し、より機動的で時代に即した運営体制を築いていきます。
そのうえで、良いものは素直に学び、徹底して取り入れます。日本青年会議所や九州地区協議会が培ってきた洗練された運動と運営の知恵を佐賀の現場で推進し、指針・研修・ツール・制度を「そのまま」と「佐賀らしさ」の両面で実装します。全国スケールの最新の情報とネットワークを地域へ還流させ、現場で検証し、改善し、佐賀版の実践モデルとして展開していく。この循環が、地域により良い情報と具体的な変化をもたらします。これは単なる模倣ではなく、型を学び、磨き、独自性を育てるための第一歩です。
伝統を壊すことが目的ではありません。誇りを受け継ぎながら、未来の誇りを自らの手で創るという覚悟を形にすることです。その覚悟があるからこそ、会議一つ、例会一つにも魂が宿り、「なぜこの運動を続けるのか」という本質が組織全体に共有されていきます。
その先に、私たちの活動が全国、そして世界から認められる未来を描きます。JCI JAPANアワード、さらにはJCIアワードでの受賞を本気で目指し、成果にこだわり、地域の革新を世界に示す組織として、次の時代のJC像を佐賀から体現していきます。
【結びに】
フィリピンのゴミ山で暮らす少女が、私にこう語りかけました。
「私はとても幸せです。あなたたちが来てくれて、私たちの国を助けてくれてありがとう。」
また、フィリピンで商いを営むご年配の男性は、静かにこう言いました。
「私は日本人に助けられた。だから日本人に恩返しをしたい。」
その言葉を胸に受け止めた瞬間、心に灯火がともり、私はこれまで以上に日本人であることに誇りを抱きました。世界には、日本とは到底同じ土俵で語れない環境の中で、笑顔を失わず、力強く生きている人が数多くいます。彼らとの出会いは、私の中にあった「幸せ」と「豊かさ」の定義を大きく書き換えました。
青年会議所に所属し、公益社団法人日本青年会議所2023年度で議長・委員長を務め、さらにJCI APDC 2023–2024で開発担当役員として東ティモールを担当させていただいた経験は、私の価値観をより深く揺さぶるものでした。今、私は世界に仲間を持っています。どこへ行っても同じ食卓を囲み、夢を語り合える友がいる。すべてJCのおかげです。
そして今度は、私の番です。
次世代へつなぐために。
まだ見ぬ未来の佐賀のために。
私は走り続けます。
国際的なネットワークを総動員し、佐賀を世界へと開く一年にする。
人と機会が世界から集まり、注目されるまちへと前進させる。
愛する佐賀のために、誇りを胸に挑もう。
希望と夢にあふれた、幸せな佐賀へ。
一般社団法人佐賀青年会議所
第71代理事長 古賀久達
